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懐かしさと喜びの自然学と、右の内耳。

” 人は一日一日をどう暮らせばよいか。
 こんなことは普通、放っておいても自ずからよろしきにかなうことで、問うまでもないのですが、いまは普通の時代ではありません。

 実際、この講義の最後に毎年、作文を書いてもらうのですが、それを読んでいますと、みなさん口々に「来る日も来る日も生き甲斐が感じられない」と嘆いているように聞こえます。みなさんにとって、一日一日をどう過ごせばよいかが、深刻な問題になってきている。 ”

時は1971年度。京都産業大学の教養科目として開講された岡潔による講義「日本民族」をもとに編者(森田真生さん)がまとめた『数学する人生』の一章「最終講義 懐かしさと喜びの自然学」は、このように始まる。

この一節に触れて「たしかに、そうかも」と私は思った。

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