通り過ぎてゆく
通り過ぎてゆく
通り過ぎてきた
通り過ぎたのだ。
様々に、
様々な、
それぞれの
営みによって、
これまでも
これからも。
そして、”風景”はいまもなお、
この場所に
この場所で
静かにスッと
佇んでいる。
世の中には知れば知るほど、興味をそそられる人や、関心を掻き立てられる人、ぐーっと掘り下げて対峙してみたくなる相手はいるもので、ハンナ・アーレントは、そんな魅力と謎に満ちた女性のひとり。
願わくば、徐々に徐々に近づいていき、どこまでも透明なまなざしとして、彼女の眼に映る景色や頭の中で組み立てられる様々な断片に触れてみたかった。そこではどんな日常が、思考が、なされていたのか、どういう現実と、向き合い続けた人生だったのだろうかと。