月別アーカイブ: 2015年5月

平凡への帰りみち。

有名になってからでは生まれ得ないものがここにはいくつも存在していて、

誰かの目に気づかないことでそこからは絶えず新たに生み出されていて、

時折よいものが生まれた時があったならそれがただただ嬉しいばかり。

隣には一緒に喜べる人がひとり、いればいい。

それ以上でも以下でもなくて。

同じように繰り返す。食べて・寝て・生みだす日々を。

 

民藝のインティマシーを途中まで読んでいて、”「平凡」の難しさ ”という節にぶつかった。

柳宗悦さんが、国宝茶碗『喜左衛門井戸』を見たときの感嘆入り混じった喜びの表現のなか多用される「平凡」という言葉がキーワードになってくる。 続きを読む

透明な眼差しの先にある「いつか見た風景」。

限りなく透明な眼差しを手に入れることができたとしたら、自分にもこんな写真が撮れたりするんだろうか?

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図書館でたまたま手に取った、北井一夫さんの「いつか見た風景」という一冊の写真集があまりにも面白く、食い入るように見入ってしまった。(相変わらず入ってばかりいるここ最近。出口が何処にあるのかなんて、知らぬ顔。)

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ルーシー・リーが隠し持つ、鉄の拳と手ごわさと。

GW中に訪れた、茨城県陶芸美術館で開催中の『没後20年  ルーシー・リー展』について書きたい気持ちを募らせたまま、時間は経過。

彼女の生み出した作品から放たれている気高さであったり、彼女自身が持ち合わせている魅力について語るには知らないことが多すぎて、もう既に亡き人になってしまっているけれど、もっと手応えを持って彼女について知りたくなってしまった。
図録をじっくり眺める傍ら、ルーシーの人柄や生きていた時代背景、彼女を取り巻く人々や環境について理解が深まる一冊を読んだ。

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                        画像:本書「Lucie Rie」より 続きを読む

今、なぜ民藝か? 横軸の広がりから、縦軸の深まりへ。

昨晩、下北沢のB&Bで行われた「いまなぜ民藝か?ー手のひらから始まる暮らし、そして社会へ」というトークイベントに参加した。

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 ー濱田庄司邸を訪ねた時に撮影

今回お話してくださったのは、4月に『民藝インティマシー』という本を出版された、明治大学理工学部専任准教授 鞍田崇さんとRoundabout(お店)・OUTBOUND(場所)を通して活躍されている小林和人さん。

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久々にゆっくり歩いてみたのだった。

ここは風が良い土地だ。

土地にはそれぞれ個性がある。

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ゆっくりゆっくり歩いていると、普段目に入らないものに出会う楽しみがある。

ふらふらと適当に舞っているような一匹の蝶が電線に止まるとは驚きだ!

・・・と思ったら単なるフェイントだったり、 続きを読む

『寂しさの力』と『わが母の記』から考える、これまでとこれからと。

しばらく前のこと。荻上チキさんのsession22で中森明夫さんという方をゲストに招き、著書「寂しさの力」についてお話しされていた。

その日はあいにくのお天気で、電車から眺めるランドマーク群は霧雨に霞み、ポッドキャストを聴き終わった後で、映画「おもひでぽろぽろ」の主題歌「愛は花・君はその種子」を聴きながら歩いて帰宅していたら、不思議にも浄化されていくように、泣けて泣けて仕方がなかった。

それからしばらく「寂しさ」の正体について自分でも深めてみたいと思いながらも、なかなかそうできずに、物語調にしてみたりしながら通り過ぎていたのだけれど、今度はcakesで誰もが持つ「さみしさ」の正体として同様の内容が取り上げられており、もう一度それについて考えてみたくなった。 続きを読む

焼き物を巡る旅。益子編

先日、GWを利用して益子陶器市と笠間の陶炎祭・その脇の茨城陶芸美術館で開催中の没後20年ルーシー・リー展に行ってきた。

陶器市自体については、また別のところで紹介する機会がありそうなので、「焼き物を巡る旅」の中で個人的に大興奮したスポットについて。

DSCF4910 続きを読む

木原佐知子さん「石と人」展

以前、PARISmagの取材でお話を伺った、sunshine to you ! 木原さんの個展に行ってきた。
参照:海も山も時間もある。神奈川の葉山で1年暮らしてみました|PARIS mag

プリント
                   引用:木原さんHPより

 

横浜大和町にある、green pointさんで5月6日まで開催中とのことで、自宅から近かったこともあり、図々しくも意気揚々と訪ねて行った。

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