明暗に分かれる、直覚と直感。

つい数日前。しばらくフォークを聴こうと思うとTwitterにて個人的に宣言した矢先…キースジャレットのThe Koln Concertばかりを聴いている。

奇跡の即興と言われているらしく、ある番組で田口トモロヲさんが3日に一度は聴いていると絶賛していたのが印象的でフォークのCDに交えて借りてみた。

キースジャレットを聴きながら、夏目漱石の「明暗」を読みながらの帰路。

 

 

駅から家までの一本道は随分長く感じて、夜も更けると後にも先にも誰も居やしない。

 

この一本道は一体どこまで繋がっているんだろう。

淡々と歩く。

 

淡々と歩くときの足音が心地いい。

 

誰にも頼れない代わりに、誰にも邪魔されない。

 

一本道の終いには左右への分かれ道と、正面に立ちはだかる山。あるいは坂、又は階段。

 

一本道は歩きやすくリズムも軽快で心地いい反面、あっという間に不安になる。

 

そんな現実とも空想とも呼べない戯言に戯れる。そんな実験

 

 

今のところ晒すか溜め込むか。
それしか術がない(知らない)のであらゆることがこゝろもとないと感じられるのかもしれません。

 

 

最後に。

「むずかしいのね。 — 何しろ一度じゃ駄目よ」

「然し一度だけで何か伝わらなければならない必要があるとしたらどうだい。何か云えるだろう」

「云えないわ」

「云えない? じゃあお前の直覚は近頃もう役に立たなくなったんだね」

「ええ、お嫁に行ってから、段々直覚が擦り減らされてしまったの。近頃は直覚じゃなくって鈍感だけよ」

— 夏目漱石 「明 暗」より

 

 

直感じゃなくて、直覚・・・!?

はじめて聞いたような、古い筈なのに無知が故のあたらしい発見。

 

それではこの辺で。

中條 美咲