寒い日が続いていますね。
最近、春を感じたくてYUKIのアルバム『うれしくって抱き合うよ』をよく聴いています。
そのなかで『COSMIC BOX』という曲があり、そこで歌われている内容が昨年公開された映画
『かぐや姫の物語』と(主人公”かぐや姫”の心を表現した場合)かなり通じているんじゃないかなと個人的な発見をしたので、勝手な想像を交えながら書いてみたいと思います。
映画『かぐや姫の物語』は高畑監督14年ぶりの新作であり、今までのアニメーションと全く異なった表現方法でとても話題になりました。見終わった後も(いい意味で)相当長く引きずってしまう映画でした。
そんな『かぐや姫の物語』と2009年、第三子出産後に発売されたYUKI『COSMIC BOX』の何がどう通じているように思えたのか・・・
まずは『COSMIC BOX』の歌詞を引用してみます。
COSMIC BOX YUKI
月で生まれた人は 地球には戻れない
母の故郷の惑星に降る 雪に頬うずめるのは難しい
見た事のない海に 憧れてため息
巨大なモニター 同じ顔した 青い魚達がはねる
遥か遠い昔から 意味のある偶然を伝えているんだ
体の中から 響くのは懐かしい子守唄
公園の砂場から 大気圏突入用のロケットに乗って
誰かが残した シャベルをコックピットにして還ろう 還ろうもしも恋に落ちたら 能力を失う
自制心爆発してしまう ロボットみたいになれるなら
あなたと話した全て 忘れないでいるのに……!!
曖昧な記憶 振られて地獄 心ならU・S・Bメモリー
横たわる天の川 本当は長い旅路を辿ってきたんだ
時計は逆戻り 隣の席のあの娘ズル休みまた明日も逢えるのに
どうしていつもさよならがきらいになるんだろう?
瞳に映るのは いつか見たはずの燃える夕焼け
遥か遠い昔から 伝わる言葉も全部無意味だとしても
誰かが紡いだ 愛と未来の歌をうたおう
公園の砂場から 大気圏投入用のロケットに乗って
誰かが残した シャベルをコックピットにして還ろう
還ろう
還ろう
還ろう
高畑監督は観客が感情移入できてしまう作品にはしたくないと考え、”かぐや姫”の内面を描きながらも客観性を保ちました。しかし『COSMIC BOX』では登場する女の子自らが内面を語ってくれているように感じました。
詳しく想像を繰り広げ始めると収拾がつかなくなってしまうので残念ですが今回は割愛。
その子は普通の”今”を生きる女の子でまだ自分がこれからどこへ向かうのか気づいていません。ただ心のどこかにある記憶(過去)の存在に気付こうとしています。
そして曲の最後では過去の記憶に気付き、その記憶に対峙しようとしているのではないでしょうか…。
最後に。
かなり勝手な妄想を繰り広げてしまいましたが、この曲が『かぐや姫の物語』とリンクした時は何故か映画のラストシーンが甦り、こみ上げるものがありました。
上手く言葉では説明出来ませんが、かぐや姫は本当に現代の女の子の中に、それぞれの記憶として生きているように感じました。
まだ寒い日は続きそうですがよかったら『うれしくって抱き合うよ』を聴いてほっこり、一足先に春を感じてみて下さい。
映画『かぐや姫の物語』の桜の場面の美しさも必見です。
中條 美咲