死と再生、終りと始まり。

満月のときは過ぎました。
わたしは「スーパームーン」という言い方が好きではありません。

だったら「超満月」でもいいのでは?・・・個人的には推奨したい。
そんなことを思いつつ、グレゴリオ暦の9月は今日で幕を閉じます。

和暦の今日は葉月の十八日。
愛用中の『和暦日々是好日』という手帳には明恵上人の「あかあかや月」の詩と、”白秋”についての記述があります。

ー白秋ー

陰陽五行では秋は白を司る。
白は「死と再生」を象徴し、生々流転、命の循環を伝える秋の色。
神前で着る麻衣、喪服もかつては白一色であった。
白は無色透明な色、または光そのものをさす。
すべての命は光から生まれ、光に還る。
色はその中に生まれる変化、喜怒哀楽の色。

ー「和暦日々是好日」より

編集・作成されている高月美樹さんという女性、
ほんの僅かにお話させていただいただけではありましたが、素敵な魅力ある方でした。

書きながらもう一つ浮かんできた空海のことば。

”生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終りに冥し”

ー空海『秘蔵宝鑰』

このことばは、雑紙『風の旅人』復刊第4号「THE FEEL OF WONDER 此岸の際5 死の力〜来し方 行く末〜」の巻頭に載っていて、これを書きながら”白秋”とのつながりを感じました。

季節にもそれぞれ「始まりの始まりと始まりの終り、終りの始まりと終りの終り」とがあるよねと、そんな話も振り返りながら、今日で9月は終り、明日には10月が始まります。

生々流転【ショウジョウルテン】
万物が限りなく生まれ変わり死に変わって、いつまでも変化しつづけること。せいせいるてん。

ーデジタル大辞泉より

秋の深まりは、終りの終り。
存分に冥【めい】のなかに包まれる頃合いなのでしょうか。

なおさら月もあかるいわけです。

 

PS.ビルエヴァンスのPORTRAIT IN JAZZを聴きながら。