重たい瞼をこすりながら、現地リポート!・・・
ではありませんけれど。。
あまりにもたくさんの洗礼を浴びた今、ことばに残しておけること(が少しでもあるとしたならば)をさらりと、一旦頭を整理するように、走り書き的に残しておこうかなと思います。
わたしは今、福島県奥会津地方に位置する昭和村という、小さなようで以外と大きな、由緒正しき(それこそ使い古されたことばのひとつ)” 原風景 ”が今も生き生きと、人々の暮らしと調和した村を訪れています。
細かな説明を省略してしまうと、いろいろなご縁がつながって、その流れに身を任せてみた結果、こうして公の研究機関の一環の活動に、今回運良く参加させていただくことになったという次第です。
研究というといかにもですが、やっていることはとってもシンプル。
村の人に会いに行き、お家にお邪魔して、お茶やお漬物をいただいて、お話を聞く。
また、昭和村は「からむし」の苧麻(ちょま)という繊維や、苧麻を使った織物の産地でもあり、夏の土用期間中に行われる苧麻刈りや苧引き、結束という作業の工程を見学させていただいたりしています。
わたしが昭和村を訪ねたのは今回が初めて。
こうした場所がまだ日本のなかに残っているんだ〜!という純粋な感動はもちろんのこと、単に観光で訪れたわけではないので、ひとつでも取りこぼすことのないように、地元の人たちの声や姿をこころやからだに染み込ませたい!!
・・・と意気込んでみたりはするものの、実際は、その都度その都度訪ねた人や場所、その姿に影響されて、揺さぶられて、圧倒的な生きていく力強さとここに住む人たちの佇まい、自然のなかに踏み込むどころかそのサイクルの中にどっぷりハマり、そのサイクルとともに生きている自然。
そうした(今の自分にとってはとても遠くに感じる)美しさに圧倒されては悲しくなるばかり。
悲しくなっても仕方がないので、とりあえずの熱冷まし。
そう、昭和村の夏の夜は涼しい。
日の出とともに畑へ行き、6時半のラジオ体操が始まる前までに、一仕事を終え、
10時にお茶をして、昼間の日が高い時間は屋内でできる作業や、昼寝をして、15時にお茶をして、日が沈んで涼しくなったらもう一度畑を出てみたり。。
それぞれにリズムや個々の差はあれど、一連の循環。
大きな流れは自分で決めるのでなく村として山として、この自然の中で暮らしていくために、ほとんどすでに出来上がっている。
どうしてこんなに遠くなっちゃったかな〜…なんて片隅に留めながら、そしたら早く電気を消して日が沈んだらすっかり寝てしまう方が良いさ〜というあたりで今日は消灯。
そんなにむずかしく考えなくても、
ここの空気をすって、あらゆる音に耳を澄ましてしまえば、
そこには昭和村のスタンダードが昔も今も変わらずに佇んでいます。きっと。
中條 美咲