神々に触れる旅。

週末を利用して奈良と伊勢へ旅に出た。
ちなみに駅でよく見かける「いまふたたびの奈良へ」というJRのポスターは印象的。

主な目的は、去年の旅行で訪ねることができなかった奈良の室生寺(十一面観音さまにお目にかかること)と法隆寺でバッハを聴くこと…
加えてお伊勢さんへのおかげ参りを兼ねたもの。

最近不定期で活用しているnoteに載せた文章を転載してみる。こちらのほうが鮮度が高い。

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神々に触れる旅。

旅に出た。一泊二日の弾丸で。
去年、樹木希林さんの映画「神宮 希林 わたしの神様」でみた伊勢神宮と、土門拳の写真で印象的な室生寺の十一面観音さまに出会う旅。
法隆寺のアルカイックスマイルの釈迦三尊像さまや百済観音さまにも会ってきた。
伊勢から室生寺に向けて、車で走る山中に、「ようこそ、神去村へ!」という看板があってギョッとした。

神去村・・・・・。

インターネットで検索したらどうやら映画「ウッジョブ!」のロケ地があの辺らしい。本当に材木屋さんと古くからの民家と、神々がおわしましますなだらかな山しかないような、場所。

朝は霧が立ち込めて、山道は本当にこわかった。
宇陀とか大宇陀とか守道とか戒外とか、地名も意味深なのでやっぱり神々と深く関係しているんだなぁと車を走らせながら思った。

神様と仏様は雰囲気がガラッとちがうこともあらためて感じた。

“何事のおわしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる。” ー 西行

神々のことをもっと近くに感じたような気がした旅だった。
奥深い山の中、水の流れを感じる時。
一羽の鴉がやって来て、もしかしたらあの鴉は神さまだったのかも…
なんて思ってしまう、それが旅の引力。

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あっさりと深めずに書き記すのは、鮮度が保てていいなぁと思う。
noteは静かだし佇まいもしっとりしている。ここでは(張り切って?)時間をかけて深めようとしてしまう分、鮮度は落ちてなんだかまどろっこしいものになってしまうことも多いのが難点。

鮮度を保ちつつ、深いところに少しばかり触れてしまう。
整然とした内容でありながら感覚にちかい状態でも読める。そんな文章が理想的。
というような個人的な文章論は置いておいて…

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もともと神様を信仰していた古来の日本。
新しく清められたピリッと空気の張り詰めるような神聖さは、神様ならではの佇まい。
(わたしの佇まいは白と赤でまるでニッポン。。)

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仏様は後から、異国から入ってきた。
神聖なピリッと感というよりも、老いてなお深まっていくというような、風化していく中での佇まいには、どんな人も迎え入れてくれるという懐の広さも感じられる。

1000年以上昔に彫られた仏様たちのやわらかく繊細な曲線は、会う回数を重ねるごとに親しみを感じてもともとの木の彫り物を超えた存在になってしまうからとても不思議。

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風通しの良い場所や、山の深いところ、水の音が聞こえる場所でただただ居続ける神さまたちの心に想像力を膨らませると、自然と穏やかな気持ちになれる。

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善でも悪でもなくただそこにあり続ける存在に、救われるということがやっぱりあるんだろうなぁ。と感じながら、今回は徒然なるままに。

またあらためて奈良・大和地方の山や地形が持つ魅力や木の存在感など諸々を、もう少しきちんと深めつつ書きたいなぁと思います。

ちなみに法隆寺でバッハは聴けず仕舞い。代わりに風の歌を聴きました。

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それではこの辺で。

中條 美咲