カテゴリー別アーカイブ: 時代と文化

花が散るということは

この季節、街中の至るところに咲いている椿の花に目が留まる。

枝を埋め尽くすように満開に開く姿もそれは艶やかで見ものだけれど、わたしはどちらかというと枝から見事なまでに落下した「落椿」に目がない。

その光景を目にするたびに足を止めて記憶ばかりか記録に残したいと強い衝動に駆られてしまう。

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椿であれば、蕾がほんの少し開きかけて光と影を身に纏っているときか、このようにあっけないほど見事に落下した姿に驚くほどこころをかき乱されたりするのだから、散ってなお彼女たちが放つエネルギーはあなどれない。 続きを読む

写真、光の描き出すもの

先日、あーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)で行われた写真家・野町和嘉さんの講演会「聖地巡礼」に参加した。

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                                 画像引用:あーすぷらざ

はじめに脱線しておくと、「地球市民かながわプラザ」ってすっごく大それた施設名だなぁという驚きが少なかからずあったのは間違いない…。察するところ、それ位の視野を持って ”地球全体を俯瞰できるような市民を育てていきたい ”というような強い熱意のもとの命名なのでしょうか?

実際のところはわからないけれど、結構なインパクトがありました。
おおきな目でみたら、あらゆる枠組みや国籍も越えて、わたしもあなたも「地球市民」。
結構かっこいい理念かもしれない。
話を元のレールに戻します。講演会があることを見つけてきてくれたのは彼なのだけど、偶然にも「聖地巡礼」という写真展、2009年に東京都写真美術館で開催された時にひとり足を運んだことがあった。

不思議なことに巡り巡ってもう一度、野町さんの「聖地巡礼」と対峙することができたのだった。 続きを読む

かぐや姫、求められることの悲しさ。

先日、劇場公開ぶりにテレビで公開された「かぐや姫の物語」を中盤から見はじめて、終盤に向かうにつれて悲しくてたまらない気持ちになった。

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劇場では2回見て、それからしばらく時間が経っていたわけなのだけど、以前とはまったく違う気持ちで見ている自分がそこにはいて、それがなんなのか観ていく中で考えていた。

かぐや姫の気持ちに共感しているとか、感情移入しているとも少し違う。それなのにどうしてこんなに悲しくなるのか不思議な気持ちだった。 続きを読む

” おわりからはじまる ” 反転力の回復。

物語は必ずしも直線方向には出来ていない。

というよりもむしろ、直線方向ではない螺旋的な混沌の中からこそ、生まれ得るものなのではないかしら。・・・と感じた。
先日B&Bで行われた「ケルトと日本 その装飾的思考と神々」というイベントで、作家・編集者の畑中章宏さんが進行役として多摩美の教授をされている鶴岡真弓先生のお話を伺った。

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                    ー「ケルズの書」より

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神々に触れる旅。

週末を利用して奈良と伊勢へ旅に出た。
ちなみに駅でよく見かける「いまふたたびの奈良へ」というJRのポスターは印象的。

主な目的は、去年の旅行で訪ねることができなかった奈良の室生寺(十一面観音さまにお目にかかること)と法隆寺でバッハを聴くこと…
加えてお伊勢さんへのおかげ参りを兼ねたもの。

最近不定期で活用しているnoteに載せた文章を転載してみる。こちらのほうが鮮度が高い。

IMG_0142 続きを読む

” 知日 ”ブームに期待すること

たまたまテレビをつけたところ、いま中国で「知日」というシリーズの雑誌が人気を生んでいる。というニュースが流れてきた。

気になったのでボリュームを上げて、食事の準備を中断して耳と目を傾けた。

これはとてもいい流れを生むだろうという期待を寄せて。
そこまで現実的ではないといわれてしまうかもしれないけれど、” 知日 ”ブームの人気が高まることに希望を持って、さらさらっと個人的な観測を書いてみようと思う。

” 知日 ”とは、日本を知るために中国で発行されている雑誌。2011年1月に創刊されて4年目になるそう。この並びだけ眺めてみても、本家を凌ぐ勢いで先を行く特集に驚いた。

本の内容はこんな風に紹介されている。 続きを読む

エネルギーの選択は、わたしやあなたの哲学そのもの。

このブログでは再三にわたって取り上げている、スタジオジブリの小冊子『熱風』。2月号の今回は「再生可能エネルギー」についての特集でした。

これはしばしば衝撃的で、納得のいく資料も掲載されており、やっぱり少しだけ今の日本が進めようとしているやり方には疑問を抱く気持ちが膨らんでしまいました。
2月号でインタビューに答えているのは、元経済産業相の官僚で、エネルギー問題にも詳しい古賀茂明さん。
本当は40ページに渡って話されている実情を全部丸ごと共有できればいいのですが、それはちょっと難しいので、個人的に印象的だった部分の引用に止めたいと思います。 続きを読む

ぴったりぴたり

今日で締め切りの、村上さんのところせっかくの機会なのでひとつくらい質問してみようと画策していたら、すっかり日が暮れてしまった。

お返事がきたらとてもうれしいし、来ないとしてもメールの全てに目を通されるとのことなので、一瞬ばかり。ふたりの間に個人的な共有が芽生える(可能性もある)ということを都合よく想像してみては、随分ロマンチックで素敵なこころみに感謝。 続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(それでもパリに恋をして)

みなとみらいの映画館、109シネマズMM横浜の閉館が今週末に差し迫っている。

閉館に伴って過去10年間に放映された作品のリバイバル上映が行なわれているのでひょいひょいと自転車を走らせて、行ってみた。

スタッフさんおすすめの16作品はどれもワンコイン(500円)で観賞できる。一日一回のみの上映で最終日の25日まで時間を入れ替えて開催されているようなので気になる作品がある方は散歩がてらに少しだけ、横浜まで足をのばしてみても良いかもしれない。

チョコレートドーナツ』と『ミッドナイト・イン・パリ』どちらにしようか迷ってなんとなくの直感で後者にした。

今回は芸術のパリ・愛 −amour –のパリの魅力をその世界に入りきったつもりになって、綴ってみたいと思う。 続きを読む

これから家族になっていく

わたしには現在、ふたつの家族がいる。

ひとつは成人するまで育ててくれたわたし自身を含んだ家族。
ふたつ目はわたしが結婚した相手の家族。

いままでひとつだけだった家族が、結婚を機にふたつに増えた。そしていずれは3つめの家族を、今度は自分たちで作っていくのだろうと思っている。

それは3つめでもあり、1つめと2つめの結びつき、延長でもある。
結婚したことで夫婦にはなったけれど、ふたりではまだ家族未満。家族はじぶんたちの力で少しずつ少しづつ、”成っていく” ものなのだと知った。

意識しなくても自然と家族になれてしまう人が大勢いる中で、わたしは「家族になる」ということを必要以上に考えてしまう。
そんな不器用というのか要領の悪い存在だからこそ、家族になる前段階の今からじっくり、家族について考えてみたかった。

読みたくて迷っていて、やっぱり読もうと購入をした雑誌、「考える人」。

表紙の写真があまりにも言い得て妙。
そして気になるテーマはずばり「家族ってなんだ?続きを読む

虫と人間。

一匹のカメムシの侵入をゆるしてしまった。

光に向ってやってくる彼らが、明かりの灯ったこの場所へ寄ってこようとも、

誰がそれを阻止できようか・・・・・。

去年の夏、我が家で遭遇したカメムシ侵入事件でこんなことを感じたらしく、さらりとノートに記してあった。
(なるべく)エアコンを使わない日常で、多くの窓を開け払っているとよくある出来事とも言える。

つい先日届いたジブリの機関誌『熱風』1月号ではその編集後記にこんなことが書かれていて、なんだか妙に苦いものを噛んだ時のような気分に襲われた。 続きを読む

生き様、例えば「花」をいけること。

西荻窪にあるGALLERY みずのそら  で、年末を締めくくるイベントとして「花いけLIVE vol.2」が行なわれた。

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花道家・アーティストの上野雄次さん、フローリストの西澤力さん、華道家の平間磨理夫さん。
三人の花のいけ手がそれぞれの持ち時間の中で、空間と器にあわせてお客さんの前で花いけを行っていく。というもの。わたしはアシスタントとしてイベントに参加。(ちなみに上の写真は作品ではありません。)

上野さんと平間さんはここ最近都内を中心に地方や海外でも公演を重ねている花いけバトルの主要メンバー。上野さんは先日NHKのあさイチで「紅白花いけ” 生 ”バトル」に出演されたり、台湾で花いけ教室を開催されたり、精力的に活躍されている。
平間さんは年明けにDAIKANYAMA T-SITEで行なわれるイベントで、「新春 花遊び」というワークショップを行なうそうだ。
西澤さんは過去にフローリストレビューで優勝の経験もあり、去年は専門誌「月刊フローリスト」の表紙を一年間担当されていた。花いけバトルに出演したこともしばしば。でも基本は街のお花屋さん。 続きを読む

個展「ヌクヌクのいるところ。」

あめ・雨・アメ・天・飴・・・あめが降っている。

冬の日の、さむいアメ。つめたい雨。

雪国は、降る続く雪。雪かき、雪下ろし、除雪作業・・・本当にご苦労様です。

 

雨も、雪も、降る場所もあれば、降らない場所もある。

おんなじ一つの島だけど、何一つおんなじことなどなくて。
そんなことをぬくぬくとこたつに入って考えている自分は、どうしようもなく生温い。

今日はそんな、ヌクヌクのお話。(※こたつの中のぬくぬくではありません。)

物語から飛び出して、いよいよこれから子ども達の夢枕に登場することになるであろうヌクヌク。

そんな夢のある『ヌクヌクのいるところ』について。

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イザナキとイザナミ

『古事記』に登場する、イザナキとイザナミという男と女の神さま。

イザナキとイザナミは、セックスへの ”誘い” 。とってもストレートな神さまの名前。

” イザナキとイザナミはその島に降り立って、まずは天の柱を立て、幅が両手を伸ばした八倍もあるような大きな神殿を建てた。そこでイザナキがイザナミに向かっていうには「君の身体はどんな風にして生まれたんだい?」と問うた。イザナミは「わたしの身体はむくむくと生まれたけれど、でも足りないところがあるの」と答えた。それを聞いてイザナキが言うには「おれの身体もむくむくと生まれ、生まれすぎて余ったところが一カ所ある。君の足りないところにおれの余ったところを差し込んでクニを生むというのはどうだろう…… ”

こんな風にして、イザナキとイザナミが数回の失敗を経て、性交をして生んだのが今、日本各地に散らばる”クニ”ということだそう。
ちなみに出会い頭で大切なのは、決して女から声を発してはいけないということ。はじめは男から声をかけるのが成功の秘訣だとか。 続きを読む