旅を通じて」カテゴリーアーカイブ

瀬戸内のきわ、豊島の景色

月曜日、朝から雨が続いています。

最近、和歌のリズムに心をほだされて、あのようにほろほろと心地よいリズムを思いのままに口遊めたら、さぞ気持ちがよいだろうなぁと憧れは募ります。

はるかなる岩のはざまに独り居て人目思はで物思はばや 西行

いにしへをしのぶとなしにふる里の夕べの雨ににほう橘 源実朝

 

とても直感的で、波にゆらめくようなリズム感があって、いつの間にか消えていくなかにある移ろいだったり。
日本人の美的感覚って、常に揺らめく時のなか、付かず離れず、凡ゆるもののあわいに身を委ねて夢現つ、みたいなところにあるのかしらと思えたり。

小豆島に引き続き、豊島の景色。
何もない島だけど、とても好きな島。 

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瀬戸内から見えるもの 〜小豆島〜

先週末、(もう先週末ね…)訪ねた瀬戸内・四国の景色をぽろぽろとお見せしていきます。

瀬戸内はとても気に入ってしまって、きちんと文章にもしてみたいし、もう少しじっくり知ってみたいところ。そんな場所でもありました。

~小豆島での道すがら~

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連なる島々と、ぴょーと白くのびる波。
ゆらゆらぷかぷか、揺られていても飽きることないそんな時間。 続きを読む

朗読から動き出す ”ものがたり”

i love you  ~

という歌い出しで始まる、トウヤマタケオさんのピアノ伴奏曲に合わせて、その物語は確かに立ち上がり動き出した。

翻訳家・柴田元幸『MONKEY vol.6』刊行記念ツアー

パトリック・マグラア『オマリーとシュウォーツ』。

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柴田さんの朗読の息遣いは荒い。
流暢に文字を追って読んでいくというのではなく、物語の奥までぐーっと入り込み、そのものになって躍動し語り始める。猫背な容姿でひょろりと立ち上がり、鋭く何かを捉えている眼差しからは、恐ろしいような、不気味な空気すら感じられた。 続きを読む

雨のせとうち

雨の瀬戸内は匂い立つ

雨とともに訪れる風を合図に疼いたように揺れ動く

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そのとき「海は荒れている」ではなく

嬉々として うねり 湧き立ち 踊り出す

 

途切れることなく立ち上がり膨らみあっては
どっぷんどっぷん重なり合って

漣が引いていく姿に 目を奪われるばかりか

引き込まれ 飲み込まれ まるごと揺らめき

波の奥に潜む生々しさを感じるばかり

 

晴れて静かな瀬戸内はやさしいけれど

雨の瀬戸内は祭りのように匂い立ち

いのちの何かが湧き上がる

 

静けさと生々しさと

生きている海の気配しか感じることができない私たちは

時折その奥に隠された「匂い」に弄ばれる

 

時計の針、月の満ち欠け、初めての一人旅。

すっかり日が伸びて19時というのにまだまだ明るい。
ついつい一日の時間が延びているような錯覚に陥ります。

ほんとうは同じ24時間。
でも少しずつ、ほんとうはずれていて、4年に一度の閏年という調整日があったりなんかして。
月の満ち欠けや星の動きに頼らず時計の針、液晶の画面ばかりに頼るようになってしまうと、自らが持ち合わせている体内時計のあてにならないことすさまじく。

時計の針を持たずとも、年間のこの時期、このタイミングで、お互いに示し合うわけでもなく、活動したり、移動したり、産卵したり、している生き物たちは時間の流れをどのように感じて行動しているのかなぁ。と不思議でなりません。

 

わたしは特に自分のなかのリズムに鈍感な人間なので、より一層。
文明から放り出されたときに、生物としての危うさをひし・ひしと、感じたりなんかして。

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手から手へ。

とてもあたたかな場所を訪ねた。

どっしりとした風格にやわらかな安定感。

いかにもといった主張を感じることもなく、腰を下せば

ただただ穏やかにくつろげる。

 

安心と安定と、しずかな味わいのある、とてもあたたかな場所だった。

 

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音楽の聞こえるほうへ。

6月の末に、四国と瀬戸内へ旅に出ようと思っています。

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きっかけは以前、荻窪6次元で行われたイベントでお知り合いになった(なんていうのはとてもおこがましいのですが…)ignitiongalleryとして活動されている熊谷さんの企画するイベント、翻訳家・柴田元幸『MONKEY vol.6』刊行記念朗読ツアーに惹かれてしまい、行きたいと思ったからです。
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今しかない、時間がない、行くっきゃない?…

昨日、渋谷公会堂で行われた高城剛トークライブ!★★読者大感謝祭★★「旅は、人を幸せにするのか?」に参加してきました。

はじめに断っておくと、わたしは高城さんのメールマガジンの購読はしておらず、今のところ彼の著書も読んだことがありません。高城さんの熱心なファンである友人から誘っていただき、今回初めて『高城剛』という人に触れてみたという感じです。

なので中心からは遠く離れた場所、どちらかというと対極的な位置から感じたことをいくつか掻い摘んで書き残してみようかなと思います。 続きを読む

ルーシー・リーが隠し持つ、鉄の拳と手ごわさと。

GW中に訪れた、茨城県陶芸美術館で開催中の『没後20年  ルーシー・リー展』について書きたい気持ちを募らせたまま、時間は経過。

彼女の生み出した作品から放たれている気高さであったり、彼女自身が持ち合わせている魅力について語るには知らないことが多すぎて、もう既に亡き人になってしまっているけれど、もっと手応えを持って彼女について知りたくなってしまった。
図録をじっくり眺める傍ら、ルーシーの人柄や生きていた時代背景、彼女を取り巻く人々や環境について理解が深まる一冊を読んだ。

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                        画像:本書「Lucie Rie」より 続きを読む

焼き物を巡る旅。益子編

先日、GWを利用して益子陶器市と笠間の陶炎祭・その脇の茨城陶芸美術館で開催中の没後20年ルーシー・リー展に行ってきた。

陶器市自体については、また別のところで紹介する機会がありそうなので、「焼き物を巡る旅」の中で個人的に大興奮したスポットについて。

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近くて遠い、三浦の三崎。

横浜から下道でおおよそ1時間。
漁業と農業がどちらも盛んな海辺の町は、近いようで遠く、異国の風情を感じたりもした。

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春の海 ひねもすのたり のたりかな  与謝蕪村
(はるの海は一日中ゆったりとうねっていて、まことにのどかなことだ。)

先月PARISmagの取材で訪ねた海が大好きな女性との出会いでこの句を知った。
参照:「海も山もある。神奈川の葉山で1年暮らしてみました。」|PARISmag

音の響きやリズム、のたり感など、これ以上はありえないというところで完結されている芭蕉の一句はそれからしばらくわたしの頭のなかでリフレインし続けている。 続きを読む

写真、光の描き出すもの

先日、あーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)で行われた写真家・野町和嘉さんの講演会「聖地巡礼」に参加した。

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                                 画像引用:あーすぷらざ

はじめに脱線しておくと、「地球市民かながわプラザ」ってすっごく大それた施設名だなぁという驚きが少なかからずあったのは間違いない…。察するところ、それ位の視野を持って ”地球全体を俯瞰できるような市民を育てていきたい ”というような強い熱意のもとの命名なのでしょうか?

実際のところはわからないけれど、結構なインパクトがありました。
おおきな目でみたら、あらゆる枠組みや国籍も越えて、わたしもあなたも「地球市民」。
結構かっこいい理念かもしれない。
話を元のレールに戻します。講演会があることを見つけてきてくれたのは彼なのだけど、偶然にも「聖地巡礼」という写真展、2009年に東京都写真美術館で開催された時にひとり足を運んだことがあった。

不思議なことに巡り巡ってもう一度、野町さんの「聖地巡礼」と対峙することができたのだった。 続きを読む

木をみつめて

伊勢・奈良で出会った魅力ある木々たちを紹介していこうと思う。

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古来から豊穣や命の象徴・信仰の対象として「木」はまつられてきた。

スペイン南部のどこまでも続く、乾いたオリーブの大地とは比べものにならないほどに、このくにを見渡してみると、緑の深い木々で生い茂っている。

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神々に触れる旅。

週末を利用して奈良と伊勢へ旅に出た。
ちなみに駅でよく見かける「いまふたたびの奈良へ」というJRのポスターは印象的。

主な目的は、去年の旅行で訪ねることができなかった奈良の室生寺(十一面観音さまにお目にかかること)と法隆寺でバッハを聴くこと…
加えてお伊勢さんへのおかげ参りを兼ねたもの。

最近不定期で活用しているnoteに載せた文章を転載してみる。こちらのほうが鮮度が高い。

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新しい地図の描きかた

いま、急上昇的に気になる人。写真家の石川直樹さんについて書いていこうと思う。

昨年11月、荻窪6次元で行われたイベント「僕らの未開」に参加して、その存在を認識することになった。 参照:「僕らの未開 〜忘れられたことを知ること…」「民俗学者と写真。

最近巷ではやたらと石川さん旋風が巻き起こっているような、そんな様子がうかがえる。
「最近」というのは主観でしかなく、随分前から活躍されているところにたまたま、このタイミングになって自分が飛び入り参加しただけに過ぎないのだけど。

ワタリウム美術館「ここより北へ  石川直樹+奈良美智 展」と、横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中の「石川直樹 New Map ー 世界を見に行く」に足を運んだ。

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                       《POLAR》2006年 タイプCプリント

「New Map ー世界を見に行く」ではアーティストトーク後編に参加。
彼のことばと写真を通して、旅の様子、身体の変化、地図ができる以前からその場所にあり続ける人や自然の姿を感じることができた。

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