風のはなし

今週に入り、風の強い日が続いている。

 

わたしの家では原則エアコンは使わない。夏も、冬も。
これだけ暑い、猛暑だと言われる最中でも、風が入れば意外とやっていける。

海が近い土地柄と、ぽこぽこと小高い山がたくさんある立地が関係しているのだと思う。たぶん。

 

コクリコ坂からの舞台が横浜だった。

坂道と緑が多くて、風通しのいい海の住む家が心地良さそうだと思った。

そうして今の家に住み着いて三年。わたしはこの家がとても気に入っている。

坂道は多いし、自転車でも一苦労。
風通しは抜群だけど、その分台風の脅威が猛烈すぎていつ屋根が飛ばされるんじゃないかとその度にガタガタなるシャッター音とともにおののいてしまう。

風は、午前中穏やかで午後になると荒れると知った。

 

ここ三日程は本当に荒れている。窓を開ければ網戸も開いてしまい二重に巻き付けたカーテンもすぐに解けて舞い上がる。部屋中の軽いモノも風で吹き飛ばされてしまうので気が気ではない。

台風前の乱気流なのか・・・。それでも窓を開ける。

 

ふと思った。

風のエネルギーってすごい!と。

生むも生まぬも人知を超えている。そよそよと吹く風。やわらかく舞い上がるカーテン。

さらさらと吹く風。木々の葉が揺れる。

ずひゅーんと吹きつける風。油断したら持っていかれる。

轟々と鳴る風。何事かを予感させる。。

風が止まる。風は、止まる。

 

どれだけ科学が発達しても、コントロールできないものがある。

風もまた、然り。

 

わたしは風が好きだ。さらさらと吹く風も、ずびゅーんな風も、轟々と鳴る風も。

風が止まると不安になる。

 

だから、風が入らず窓もない密閉空間はとても苦手。

 

それではこのへんで。

中條 美咲