瀬戸内のきわ、豊島の景色

月曜日、朝から雨が続いています。

最近、和歌のリズムに心をほだされて、あのようにほろほろと心地よいリズムを思いのままに口遊めたら、さぞ気持ちがよいだろうなぁと憧れは募ります。

はるかなる岩のはざまに独り居て人目思はで物思はばや 西行

いにしへをしのぶとなしにふる里の夕べの雨ににほう橘 源実朝

 

とても直感的で、波にゆらめくようなリズム感があって、いつの間にか消えていくなかにある移ろいだったり。
日本人の美的感覚って、常に揺らめく時のなか、付かず離れず、凡ゆるもののあわいに身を委ねて夢現つ、みたいなところにあるのかしらと思えたり。

小豆島に引き続き、豊島の景色。
何もない島だけど、とても好きな島。 

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濃く深く密生する緑はひとを寄せつけずかつての記憶を呼びさませと囁きかけてくるみたい

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木に寄り添うように、見守られるようにある石の神さま。
どの神さまにもちょこんと添えられた花から、ひとと自然、ひとと神さま、の距離の近さ(わざわざことばにするほどのことでもない営み)を感じる。

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かぐや姫の飛翔の場面みたい。
ほんのわずかむかしは、列島のそこかしこに、こうした空間が放置され、雑草や草木の繁栄の場となっていたのだろうと。ひとが少なくなれば自然とこうなっていく力を持っているのが、四季があり、水の潤沢な列島の姿かな。

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小学校?大きな自然と小さな営みにほっとする。

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ぽつり咲くひまわりと目が合う

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猫推定20匹。小魚を食らっていた。

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時間が間に合わず美術館には行けなかったけれど、電動自転車を借りて、島の3分の1ほどを見て回ったら、何もない筈もなく、むしろ余計なもののない、自然と調和のある暮らしぶりを感じるばかりでした。

帰るべき場所であり、守りたい景色であり、学びにあふれた瀬戸内のきわ、豊島の景色です。

 

それではこの辺で。

中條 美咲