今しかない、時間がない、行くっきゃない?…

昨日、渋谷公会堂で行われた高城剛トークライブ!★★読者大感謝祭★★「旅は、人を幸せにするのか?」に参加してきました。

はじめに断っておくと、わたしは高城さんのメールマガジンの購読はしておらず、今のところ彼の著書も読んだことがありません。高城さんの熱心なファンである友人から誘っていただき、今回初めて『高城剛』という人に触れてみたという感じです。

なので中心からは遠く離れた場所、どちらかというと対極的な位置から感じたことをいくつか掻い摘んで書き残してみようかなと思います。

はじめに驚いたのは2000人と超満員になった渋谷公会堂の会場です。客層は全体的には20~40代にかけてが多いように感じましたが、渋谷や新宿を歩いていそうな若い女性も多く、スーツを着たサラリーマンや活発そうな年配の方など偏りがなく、随分開かれた印象を感じました。もちろんネット関連、ガジェットを使いこなす方々からの人気も熱いようで、1時間半まるごとスマートフォンで撮影している人や(疲れそうでたいへんだなぁ。と)、録音、撮影している人もたくさんいました。

登場から幕引きまで圧倒的なスピード感で、息つく暇もなく(本当に!)マシンガン的に話が進んでいくのには正直ついていくのが精一杯で、彼の話している内容を自分の中に取り込んで、噛み砕いて咀嚼するような暇はなく、ひたすら猛烈に浴び続けたという印象が第一です。

彼のように世界中を超高速的に移動しまくっていたら、自然とあのようなスピード感に慣れていくのか、その辺はわかりませんがとにかくサーキッドを走り抜けていくレーシングカーを次々見送っていくくらい圧倒的なスピード感でした。
いろいろな意味でハイパーであることは間違いないだろうなと。。

 

そして彼の主張は猛烈にシンプルです。

「お金では幸せになれない」「経験こそが人を幸せにする」「大移動の時代が始まった」「南の島には未来と幸せがある」「10年後には開発されてしまう。行くのであれば今しかない」「誰よりも早く、今しかない」「人間はもっと移動した方がいい」「誰よりも移動した人が幸せになる」「南の食べ物は人を幸せにする」「信じているものは5年後には変わる」・・・などなど。

矢継ぎ早に捲し立て「今しかない、間に合わない」と何度も繰り返し考える余地を与えないところなどは、少しばかり悪徳系の匂いを感じたりもしました。世界中の美しく輝く海や浜辺、楽しそうに過ごす人々の写真を見続けていると、「行きたい!」と思うのは当然かもしれません。

9.11後、従来の生き方・働き方に疑問を持った人たちが、続々とマンハッタンからブルックリンに拠点を移し、8割が中小企業やフリーランスで企業の宣伝広告ではなく自分たちの主張「EAT REAL FOOD(本物の食べ物を食べよう)」「バターをやめよう」などを広告として街中に大きく掲げていたり、自分たちの目の届く範囲で循環させようとしているといったお話は印象的でした。
また、「世界中が温暖化していくのだから今、南の島にある光景が自分たちの未来の姿。だから今南の島に注目するんだ」というお話や、「ベトナムのまだ観光開発されていない小さな島は、今後10年でホテルを100棟建設し、国としてリゾート開発をする予定がある。だからこの風景はもう見られなくなってしまう。」といった話は「たしかにそうなんだろう」と納得できる部分でもあり。

 

民族大移動の時代だから誰よりも早くその流れに乗ることが吉なのか、旅をしないと人は幸せにはなれないのか、旅=距離なのか。みんながみんな人目に触れずに残された自然を求めてそこに押し寄せていった結果、開発されてはどこも同じ景色になって、それが幸せなことなのか。誰よりも早く行くべきなのか、いった人が幸せになるのか?・・・

その辺を突き詰めていくとどうも私自身の考え方とは折り合わないなぁと思う部分が多かったりもするのですが、あれだけ活動的に自身が大移動を実践し、「計画を立てるところから始まっている。ここには必ず幸せがある。未来は変わる」と強く背中を押してくれる高城さんのような存在は心強く、変化し現状突破することがそう簡単ではない今の環境やムード、何かしらの抑圧を感じている少ながらずの日本人にとっては一種の希望や理想、勇気づけられる存在になるんだろうなぁと実感することになりました。
実際、あんな風に世界中の写真が次々と舞い込んできたら、羨ましくなるのが当然かもしれません。

 

どちらにしても今回のトークライブは「旅と幸せ」に限っての内容だったので、あの話の中にどれくらい高城剛さんの本質が含まれていたのか、他を知らない自分には推し量れませんが、人を惹きつけ、焚きつけ、勇気付ける役割を果たすには、過剰なくらい主張し続けて、実践し続ける。それがその人自身の強い根拠になるんだということを感じ取り、彼の主張を受け入れられる、られないの話は一旦保留にした上で、1時間半のなかなか面白い異世界へのショートトラベルとなりました。

今回、熱心に誘ってくれた友人には感謝です。

 

 

そして彼の著書は、いずれタイミングが訪れたら読むかもしれませんし、読まないままかもしれません・・。

    

 

それではこの辺で。

中條 美咲