最近グレングールドというピアニストに夢中になっている。
1932年−1982年 カナダのトロント出身で180センチの長身と、甘いマスクを武器に(したかどうかは今更想像でしかわからないけれど…)世に言うイケメンピアニストだ。
とあるカフェで流れてきた彼の演奏するバッハの平均律クラヴィーア曲集というものにすっかり魅了されて、(気になった曲があるとわりと店員さんに尋ねてしまうことが多い)早速TUTAYAで何枚かのアルバムを借りて聴き始めた。
今までクラシックなどあまり触れずに過ごしてきたので、クラシックの”ク”の字も知らないけれど、演奏がとっても軽快で豊かで幸せそうなのがいい。
子どものように正直で、自由に美しく飛び跳ねながら踊っているような心地よさがある。
彼はきっと、あらゆる物事において、繊細すぎるほど正直だったのかもしれないなと思う。
ウィキ先生に書かれている内容を読みはじめたらその内容がとても面白く、ついつい最後まで読んでしまった。参照:グレン・グールド−Wikipedia
彼自身がとてつもない魅力を持ち合わせた孤高の人だったということがよく伝わってくる。
元来の文学青年で、死の床には聖書と共に書き込みだらけの「草枕」(夏目漱石)があったというエピソード・・・どこかで読んだ覚えがあるぞ?!・・・と思ったら、「半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義」の中で語られていたエピソードだった!ということが繋がったのも偶然にしてはよくできている。
彼の人生に多大な影響を与えたという、読みかけの「草枕」をもう一度手にとって、トーマス・マンの「魔の山」をこの歳になってそろそろ読んでみようと決意を改めた瞬間だった。
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先日見た谷川さんの映画が始まる前に、流れた「パーソナル・ソング」という映画の予告編。
”音楽がアルツハイマー病を劇的に改善!”と題されているその映画もとても興味深く、もしかしたらわたしたちは音楽の楽しみ方をまだまだ殆ど知らずに過ごしているのかもしれないなぁと。
とても勝手な思い込みが浮かび上がった。
今後とも知らない物事に対しても肩肘張らずに、独自の方法で中途半端な開拓を進めていきたい。
それではこの辺で。よい週末を。
中條 美咲